うらぎらないおいしさ
- 荒牧 直子

- 2024年10月27日
- 読了時間: 2分

Yさん5年生
来日の際の思い出です。
「故郷」という言葉は彼の体験から自ずと発せられました。
私ははじめ、この年齢で故郷というのは少し大袈裟かなと、つまり、彼が言いたいことと表現がマッチしているのか確かめなくては!と思いました。
しかし、じっくり話を聞いてみるともはや故郷かふるさとの2択。
「なぜなら」の文で表現しています。
「歳」と「才」のちがいについても解説を求められました。
また、各所で
「先生だったらどんな風に書きますか?」とサンプルを求められました。
その度に2~3例提示し、気に入った表現は採用していただくというようにしました。
故郷から離れて暮らしているせいか、日本語への向き合い方の丁寧さに脱帽です。
そして、日本の原稿用紙に文章を書くという彼のかねてからの希望も叶いました😊
以下全文
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うらぎらないおいしさ
毎年夏休みに、ぼくは日本に行きます。ぼくにとって日本は故郷です。なぜならぼくは日本に四歳から七歳まで四年間ほど住んでいたからです。その四年間はぼくの最初の頃の記憶なので、今まで住んでいた国の中で一番印象に残っています。
今年は、日本で大好物の焼き肉を食べました。ぼくは焼き肉が食べ物の中ではダントツで好きです。特に牛カルビが好きで、タレがついたカルビは、いくらでも食べられます。今回もぼくをうらぎらないおいしさだったので、二回も食べに行きました。
ここで焼き肉について説明します。焼き肉は、うす切り肉を炭火で焼いて、タレをつけて食べる日本の料理です。
残念なことに、オーストリアでは、牛肉はステーキにして食べることが多く、うす切り肉は手に入らないので食べられません。また、タレは日本から輸入してこないと手に入りません。
もう一回、故郷である日本へ食べに帰りたいです。できることなら、オーストリアでも手軽に食べられるようになったらうれしいです。
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