シリーズ番外編 暮らしを綴る お母さんが体調をくずしました。ご飯を作っているときに倒れるかもしれません。
- 荒牧 直子

- 10月6日
- 読了時間: 3分
授業が始まってすぐ、こんな心配なことを言うTさん・4年生。
私も、気が気でなくてお母様に状況をおたずねすると、横になって休んでいれば大丈夫とのこと。とはいえ、Tさんはとても心配している様子で、お母さんに代わって夕飯のみそ汁を準備したいと言います。そこで、お母様に許可をいただき調理することにしました。
その時の様子を作文しています。
いつものように、リアルタイムで私がTさんのつぶやきなどをメモし、
翌週から、一緒に推敲します。
一見、普段通りのTさんのようなのですが、所々「おどる」描写があります。
きっと、心配や不安を紛らわせるためではないかと、私は思うのです。
また、最後にお兄さんが帰ってきたとわかった時、ホッとしたんじゃないかなぁ。
私もホッとしましたもの。
それにしても、Tさん、ずいぶん頼もしくなったものです。
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お味噌汁
お母さんが体調をくずしました。
ご飯を作っているときに倒れるかもしれません。
心配だからお味噌汁を作ることにしました。
では、早速つくります。
まず、水を鍋の半分ぐらい入れいます。
水がたまるまでおどります。
出汁パックをやぶって鍋に入れます。
次に、熊本のおばあちゃんが送ってくれた玉ねぎの皮をむきます。
ピリッと皮がむけるのがストレス解消になります。
皮をむいたら半分に切ります。
ここでプールのゴーグルを爆速で取りに行きます。
なぜなら目が痛くなるからです。

玉ねぎをうすく切ります。
ゴーグルのおかげで大丈夫と思ったら、涙が出そうです。
においが鼻から入ってきて、涙が出るほど目が痛くなったのでゴーグルははずしました。
いつも、お母さんがキッチンで玉ねぎを切っていると、
テレビを見ていても涙が出てきます。
だから、ぼくがみそ汁を作るというときは、玉ねぎは入れないで作ろうと思います。
目が痛くなったので、ここでお母さんとバトンタッチします。
玉ねぎが鍋に入ったのでキッチンに戻ります。
えのきを三等分に切ります。
少しくずしながら鍋に入れてふたをします。
ちからいっぱいもやしの袋を破り、ざるに入れて洗います。
ぐつぐつしたらもやしを入れます。
さらに冷凍のごぼうも鍋に入れます。
わすれずに使わなかったごぼうは冷凍庫に戻します。
鍋が沸騰したらふたを開けてここで冷凍枝豆を入れます。
沸騰する前にお玉で具材を混ぜます。
ふたをしてもう一度沸騰したら(沸騰するまでおどる)
吹きこぼれないように火を一番小さくして、
木綿豆腐の準備をします。
お母さん流なら豆腐は大きいまま鍋に入れてつぎわける時お玉でくずします。
今日は、ぼく流にします。
まな板に豆腐をプッチンプリンのようにあけて、長方形に切り鍋に入れます。

手を洗いながらおどります。
沸騰を待つ間、おどりながらかたづけをします。
ぼくのつくった味噌はまだ熟成を待っているので、
今日は熊本県産の玄米味噌を使います。
味噌をすくったスプーンを鍋の縁でとんとんしていると
「いいにおいがする」と、お兄ちゃんが帰ってきました。

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